フランスの哲学者アランによる名著「幸福論」をご存知でしょうか。90年前に書かれた本で、日本語訳も出版されている有名な名著です。
今回、本書ではなく、漫画化された「マンガ・幸福論」を読みました。
・人はどうすれば幸福になれるのか?
・不幸をしりぞけるにはどうすれば良いのか?
これらについて、ストーリー仕立てでわかりやすく書かれています。
平和だけど味気ない生活に幸せを見いだせない青年『ロラン』、抑うつ病をかかえる青年『ドニ』、人々が幸福になるための心得を説く『エミール』。そんな彼らによる物語です。
幸福論の名言・教え
不幸をしりぞけるには、適度な運動が有効
アランは、不幸を退けるには運動が有効だとしています。
なぜなら、《行動》と《想像》を同時に行うことは出来ないからです。考え方を変えようとしても、強大な苦痛の前では《思考》はチカラを持ちません。
私ごとになりますが、僕が学生だった頃、サーフィンへよく行っていました。海へ出ているあいだは波に集中していて、恋の悩みや友人関係など抱えていた様々悩みが完全に吹き飛んでいました。
延々悩みについて色々想いを巡らせても解決するものでもないので、そんな時はスカッと身体を動かすのは確かに良いですね。
長時間立ちっぱなしでイライラしている人には、椅子を差し出す
理屈を並べて注意するより、立ちっぱなしで緊張している筋肉をほぐしてあげる方が良い。
凝り固まった筋肉をほぐす意識を。適度な運動といっても、あくびや伸びや微笑みなんかも有効だそうです。
不幸を強制しているのは、社会や環境ではなく自分自身
不幸な出来事が起きたとき、襲って来る《情念》を《意思》のチカラで抑制できる。しかし、意思の力を奮い起こすより、悪い情念にゆだねでしまう方が人間は楽に感じてしまう。打ち勝つには、自分が幸せになるという《誓い》がなくてはならない。
*情念(情念)とは – 感情が刺激されて生ずる想念。抑えがたい愛憎の感情。goo辞書より
確かに、不幸な時は何をしても不幸に感じてしまいます。不幸が不幸を呼び起こす不幸スパイラルといった具合でしょうか。
自分自身で「幸せになってやる!」と誓うことで、それに打ち勝つ活路が見出せるのだそうです。
不機嫌な伝播する。そんな時は感謝のひとことを
怒ったり、イライラしている人がいると、周りはそれに影響されてしまいます。そんなときは、それを止めないといけない。怒っている人に感謝の一言なんて……ですが、そんな時こそ打ち勝つ《意思》のチカラが必要。
家族間、夫婦間でも同じことが言えるでしょう。相手がイライラしていると、こっちまでイライラしてしまう。怒っている相手を止めるには、《感謝のひとこと》で場の雰囲気を変える事ができるそうです。
ぐっとこらえて、優しく接してみましょう。
笑っているとき、同時に怒ることは出来ない
楽しい場でも、嫌なことが起きると不機嫌になりやすい。そんな時は、作り笑いでもいいから微笑む。思考に入るまえに行動を起こす。微笑めば心に余裕がうまれ、襲いかかる《情念》をかわす事が出来る。
真理ですね! 笑いながら怒れない。
先の問題と同じく、そこで怒ってしまうと不機嫌が伝播し、空気が悪くなる。笑顔はすごいパワーを持っている!!
他にも幸せになるための、数々の名言が
他にも、本書では『戦争や人との衝突』『人は簡単に命を絶てない』『自分の幸福に満足出来なくなった時、惜しまずに他人に幸せを分け与える事』など、幸福とは何か、どうすれば幸福になれるのかについて、沢山書かれています。
僕はかつて、妻の不倫疑惑が起きた際、怒りを伴った話合いを続けてしまった事があります。そこに生まれたのは、重く不穏な空気でした。
「幸福とは何なのか?」
あなたのパートナーの不倫や離婚を阻止することは出来なくとも、本書「幸福論」は、きっとあなた自身の幸せの手助けをしてくれると思います。ぜひ愛読してみてください。
そしてどうか皆さんが幸せでありなすように!