妻・夫の不倫に気づいたのち、想像を絶する不安や怒りが津波のように押し寄せます。
「本当に不倫をしているのか?」
「浮気相手は誰なんだ!」
「経済的にも不安……」
「絶対に不貞行為の証拠をつかんでやる!」
「両親に顔向けできない」
「不倫相手から慰謝料を取る!」
「子どもの親権をとられたらどうしよう」
「なぜ、不倫をしたの?」
……など、ネガティブな感情が尽きることなく、四六時中襲いかかってくるのです。
この状況から、どうすれば脱することができるのか!? 今回は、不倫をされた側の心の持ち方についてお伝えします。
思考を短期から長期へ。10年先の幸せを想像する
不安や怒りで毎日苦しいとき、思考を「短期」から「長期」へと意識的に切り替えてみてください。
短期は、数週間〜数年。
長期は、10年以上。
「友達と楽しい時間を過ごしたいな」「あの街で暮らしてみたいな」など、遠くをイメージしてください。そうすることで、目の前のネガティブな思考から開放され、心をリラックスさせることができます。
超短期。今に集中し、不安・怒りを忘れる
長期とは逆に、超短期。
つまり「今」を意識するのも、心の開放につながります。
「あぁ、おいしいな」
目の前のフルーツをひとくちひとくち、じっくりと味ってみたりするのです。
僕はかつてサーフィンをしていました。海にいるときは波やうねりに集中するので、そのとき不安・怒りから開放されました。
自然を堪能するのも良いでしょう。
山をじっと眺めて壮大さを味ったり、公園に寝転んで木々のそよぎに身を任せたり、海で潮風に吹かれてみたり……。
カルチャーに触れるのもおすすめです。
音楽を集中して聴いたり、小説の世界に没頭したり、絵画をじっとみて想像を巡らせてみたり……。
今、目の前にあることに集中することで、不安・怒りを忘れることができます。
それは一時的な逃げ。根本的な解決にはならない!?
「そんなの一時的に逃げているだけじゃないか!」
そう思う方もいるでしょう。
でも四六時中、不安や怒りでいっぱいだと、良い解決方法も浮かばないし、心の病気にもなりかねません。一時的であっても、少しでもポジティブな思考が芽生えたり、少しでも清々しい気持ちになれたりするのは、大事なことです。
僕は妻の不倫で目の前が真っ暗になったとき、仕事も手につかなくなりました。上司に失礼な態度をとってしまったり、成果をあげられなくなったり。その結果、社内で左遷されました。
家庭が崩壊の危機に瀕するだけでなく、仕事も上手くいかなくなったのです。
ポジティブとネガティブのバランス「ロサダの法則」
アメリカの心理学者マーシャル・ロサダ氏とノースカロライナ大学のバーバラ・フレドリクソン教授は、「ポジティブ感情とネガティブ感情の黄金比は3:1である」との研究結果を2005年に論文で発表しました。ロサダの法則(ロサダ比)とも言われています。
「人間は、ポジティブだけでは幸せになれない。ネガティブ1に対して、ポジティブ3の割合が、人間を幸福にする」というものです。
不満や不安があるから、良いことがより良いことに感じられます。
これは個人だけに限りません。経済活動においても、不安や不満などのネガティブ要素があるから、「安心できるサービスを提供しよう」「もっと便利な製品を開発しよう」と取り組めるのです。
ただ、この3:1の黄金比は、のちに懐疑的な意見も提唱され、1対1が良いのではないか、6対1が良いのではないかなどとも言われています。
いずれにせよ、「人はポジティブ100%も、ネガティブ100%も、良くない」と言うことです。
不安や怒りなど、ネガティブ感情を有意義に活用
ネガティブに押しつぶされそうなるのをなんとか阻止できれば、心に余裕が芽生えてきます。
心に余裕が生まれると、不安や怒りといったネガティブな感情を有意義に操れるようにもなれます。
私ごとになりますが、僕は怒りパワーを増大させ、妻の不倫相手に家に突撃したことがあります。警察が駆けつける大変な騒ぎになりましたが、結果的に不倫解消・慰謝料請求へと至るきっかけをつかむことができたのです。
ネガとポジのバランスです。
不倫をされた側は何も悪くないのに、辛い思いばかりするのは理不尽です。不安や怒りが津波のように押し寄せる日々が続くとき、「ポジティブになれるひとときを作ろう」「バランスを意識しよう」と取り組んでみてください。どうかご自愛を。