ボイスメディア「Voicy(ボイシー)」にて配信中の弁護士、佐藤大和さんの番組に「不倫の慰謝料の相場」をテーマにした放送回がありました。
- 不倫の慰謝料は、いくらもらえるのか?
- 探偵などに掛かった調査費用は、慰謝料として請求できるのか?
- 不倫に気づくきっかけは何か?
これらについてわかりやすく解説されていて、とても為になる放送でした。
今回は、この放送内容をかいつまみながらご紹介します。
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Voicy メディア弁護士の戯言
法律上、不倫とは何? 浮気との違いについて
配偶者以外の異性と恋愛し、性交渉を行うこと
不倫を定義すると、上記の意味になります。
しかし、実は法律には「不倫」「浮気」という言葉はありません。法律で使われてる言葉は「不貞行為(ふていこうい)」です。
不貞行為は、離婚の条件のひとつになっていて、不貞行為があれば離婚をすること(慰謝料を請求すること)ができます。
不倫と不貞行為はほぼ同義語ですが、不貞行為は性交渉が行われている関係が原則となります。法律や裁判において、原則として性交渉がなければ、離婚の条件である不貞行為とはいえません。
不貞行為ではないので離婚の事由にはならない
ただし、繰り返しキスをしたりとか、性交渉の類似行為をして、「配偶者と一緒には暮らせない」となったときは、法律に定められている「婚姻を継続し難い重大な事由」にあてはまる可能性があります。
不貞行為に当てはまらなくても、離婚できる場合があるのです。
夫婦の一方は、以下の場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
- 配偶者に不貞な行為があったとき。
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
浮気とは
では、浮気とは何か?
浮気は、人によって定義が変わります。たとえば、「キスをしたら浮気だ」「食事に行ったら浮気だ」など、人それぞれの定義があるのです。
浮気については、法律上定義されていません。
不倫の慰謝料の相場
さて、本題の不倫の慰謝料について。
不倫の慰謝料の相場は「100〜300万円程度」と言われています。
ちなみに、弁護士の佐藤大和さんは、かつて「1,200万円ほどの慰謝料を不倫相手相手から獲得したことがある」のだそうです。相場よりかなり高額ですよね。これは、例外中の例外とのこと、
探偵の調査費用、裁判で必要と認められれば損害賠償請求できる
「探偵費用は、とれるんですか?」
不倫の証拠を得るために探偵や興信所などの調査会社を利用した場合、その費用は慰謝料として別途請求できるのでしょうか。佐藤さんのもとには、この質問が度々寄せられるとのこと。
これに関しては、過去の裁判例が参考になります。
「探偵や調査会社の依頼が、不貞の行為の立証に必要不可欠な行為であったかどうか」を、まず判断されるとのこと。その上で「必要だった」された場合、相当額を損害として請求できるのだそうです。
ただし、注意点。
全額が認められる訳ではありません。
探偵に不倫調査をお願いする場合は、その必要性と金額をしっかりと見極める必要があります。
不倫に気づいたきっかけは? スマホ、レシート、下着の汚れなど
また、配偶者の不倫に気づいたきっかけも紹介されました。
一番多いのが、携帯電話・スマートフォンです。妻・夫が、急にスマホを肌身離さず持ち歩くようになったり、ロックをしはじめたり、お風呂に持っていくようになったり。これまで無防備だったのに、急に警戒するように。
その瞬間、「不倫しているんじゃないか」と疑いの気持ちが芽生えます。そして、通話履歴、ライン、メールなどか浮気がバレました。
また、領収書などから不倫がバレることも多いそうです。
ホテルによってはレシートに人数が明記されることがあります。また、人数の記載がなくても、「一人にしては金額がちょっとおかしいぞ(高いぞ)」と、疑わしく思うこともあります。
佐藤弁護士がたずさわった事例としては、コインパーキングの領収書から不倫がバレたケースがあったそうです。週に数回、とあるコインパーキングに車を停めています。
「あれ、夜になぜこんな住宅街に車を停めているんだろう」
そこから発覚したとのこと。
この他にも、「身体の匂い」「下着の汚れ」から、発覚したことがあったそうです。
ここまでがVoicyで配信されていた内容です。話し方も丁寧で聞きやすいので、ぜひVoicyで配信中の音声番組も聞いてみてくださいね。
探偵の費用を抑えるため、自分でできること
「もしかしたら、妻(夫)が不倫をしているかもしれない」
その直感だけで探偵に不倫調査を依頼すると、費用が高額になってしまいます。そこで、ある程度自分でできることは自分でする、というのも手です。
先の佐藤弁護士があげていた事例のように、「不倫をしている事実」や「行動パターン」を把握していると、探偵の調査費用を抑えることができます。
不倫相手は、誰だかわからない。
いつ会っているかもわからない。
こうした状況では、調査が長期化してしまいます。
不倫を確信、行動を把握してから、調査開始を依頼
「不倫しているかも」という疑いの気持ちが湧いてきたときは、とても焦ります。これまで平穏で、この先もそれが続くと信じていたのに、突然大きな壁が立ちはだかるからです。
僕自身、妻に不倫をされた経験があるのでよくわかります。
ある日、妻が体調不良になり、セックスレスになり、「人を突然好きになるのと同じように、好きも突然終わる」と告げられ、離婚したいと言われました。
この状況で、冷静になるのは厳しいです。
でも、そんなときこそ、深呼吸して、不安な気持ちを落ち着けて、客観的に自分たち夫婦を見るのが大切です。
夫婦関係を取り戻すにも、有利に離婚をするにも、状況把握と証拠が重要なのです。
不倫を確信し、相手を特定し、ある程度行動パターンがわかってきてから、探偵に依頼の相談をすると調査費用を抑えることができるでしょう。
自力で証拠を得る方法と、証拠をつかむことがいかに重要かについて書いた記事もあるので、合わせて読んでみてください。
不倫サレ中の方、どうぞご自愛ください。