無気力、セックスレス、携帯電話に職場の上司との通話履歴……。
問い詰めても「不倫はしていない」という妻
「妻は不倫をしている」
その程度はわからないが、僕の心の中では妻の不倫を確信していました。
妻に問いつめても「不倫はしていない」という。
それはきっと、「僕との関係は壊したくない」「離婚になって欲しくない」と、心のどこかでは願っているからだろう。そう勝手に前向きな解釈をしていました。
とにかく、つい2、3ヶ月前まではすごく仲良かったので、その突然の急転ぶりに僕自身が追いついていないというか、離婚や不倫の状況を想い描けなかったのです。
その頃の妻・桜子の様子は
「無」
でした。
喜怒哀楽も何も無く、ただただ無表情、無感情、無関心。
夫婦共働きなので、お互い仕事が終わったら帰る前に携帯へメッセージを送信しているのですが、それも最低限の文字数。
「帰る」
「19時30分電車」
といった具合です。
そんな日々ではありましたが、妻はほぼ毎日きっちり帰って来ました。以前、体調不良とも言っていたし、身体・精神共に疲れているのかも知れない。離婚したいと言っていたのも、辛さから出た一時的な気の迷いかもしれない……。
僕は、男女関係の本、愛妻家になる本、愛情深い人になる本。そういった本もむさぼり読み、「愛情の灯をともし、それを少しずつ育てて行こう」と、行動に移しました。元々僕は横柄や横暴な方ではありませんが、今回の問題に関しては怒鳴ったり怒ったりするのを禁じ、「妻への愛情が足らなかった自分のせいだ」と自分に反省をうながし、それを妻への愛情を込めた行動へとつなげました。
怒らない、きっちり話を聞く、家事も一緒にやる、妻を思いやる……。
僕のその行動は女々しいと思います。でも、妻の態度に対して怒ってしまえば、完全に崩れてしまう。妻が言った「離婚したい」への道へまっしぐらに進むことになる。
再構築という言葉との出会い
そんな頃、「不倫からの帰還」というウェブサイトを見つけました(現在はサイト閉鎖)。
そこに書かれていた『夫婦の再構築』の言葉に不安定な精神が救われ、心の支えになりました。
そうだ!
仲良かったあの頃を取り戻そう。
もし不倫しているなら、そのガン(不倫相手の男)は排除。
俺は再構築に取り組む!
そう決意しました。
(次回へ続く)→ 心の支えになってくれた職場の同僚
第2章・妻は不倫をしているのか? (4)
2004年9月