妻の不倫を100%確証しつつも、僕は離婚ではなく再構築を望んでいたので、妻へは穏やかに優しく接していた。
しかし……。
不倫中、正月だけど両親に会うのが辛い
クリスマスが終わったと思ったら、正月がやってきた。
辛いのが両親への想い。
お互いの実家は近所にあるため、元旦は両家へ新年の挨拶へいった。
夏前までは二人でよくお互いの実家へ行っていたのだが、こんな関係になってからは足が遠のいていた。親なのでなんとなく不穏な雰囲気は伝わっているような気もするが、とにかく久しぶりに二人で実家へ。
申し訳ないなぁ……と思う。
妻はその辺、どう思っているのだろう。何にも思わないのなら冷血すぎるのでは? それも不倫という病のせいなのか。
とにかく、平穏を装いながら、両方の実家への挨拶は終えた。
あと、妻の携帯を盗み見て、僕は1月3日の不倫相手との約束しているのを事前に知っていた。
でも、もう自分を抑え込むのも限界だ。
不倫が確定するまで、「不倫は思い過ごしだ。きっと妻は身体の調子が悪いのだ……」と、無理矢理自分を信じ込ます事で誤摩化して来たが、もう無理だ。
もういい加減にしてくれ!
不倫相手との初詣へいこうとする妻に、ついにブチ切れ!
1月3日の朝、桜子は出掛ける用意をしていた。
しれっと「ちょっと出掛ける」と、小さく僕に声を掛け、玄関に向かった。
「いい加減にしろよ!」
「もう、いい加減にしろよ!」
僕はと畳み掛ける。
「全部わかってんだ。お前が何をしてるか全部わかってるんだ! 今、出掛けるのは許さない」
桜子は、半ば睨みつけるように僕を見る。
黙って玄関に向かう。
肩をつかんで引き止めた。
桜子は僕の手を振り払おうとする。
「いい加減にしろ!」
正面から桜子の両肩を押した。妻は一瞬よろめいた。
妻は寝室に駆け込んで、勢いよく扉を閉めた。
正月3日目、不穏な空気が家中に充満した。
あいつらは馬鹿なのか。クリスマスイブにはライブへ、正月は三ヶ日に初詣?
どこまで平和な奴なんだ。
いや、平和な奴らなんだ。
これまできちんと向き合って来なかった僕の責任もあるだろう。
あいつが馬鹿なのではなく、僕が馬鹿にされているのだ。
そういえば、佐伯洋次の奥さんはどうしているのか。
夫が職場の部下と不倫をしているのを知っているのだろうか。
それとも、僕のように耐え忍ぼうとしているのか。
次は妻の不倫相手、佐伯洋次について少し書いておく。
(次回へ続く)→ 妻は10歳年上の上司とW不倫、海外旅行を計画
第3章・不倫相手との話し合い(14)
2005年1月