第3章・不倫相手との話し合い(15)
2005年1月
妻の不倫が確定し、僕はまもなく妻の不倫相手と対決することとなる。一体どんな男なのか? 物語を進める前に、ここでは男について解説したい。
妻は、10歳年上の上司とW不倫
ここで妻の不倫相手について、僕の知っている限りを書いておく。
名前は、佐伯洋二。年齢は30代後半で、僕より5つほど年上だ。
妻との年齢差は10歳ほど。
僕はかつて佐伯と会った事がある。
こうなる前から、妻がこの男のことをよく話してくれていたからだ。会社の上司で、僕たち夫婦との音楽の趣味も合い、CDなども良く貸してくれた。ある日、僕は妻と近所の大きなショッピングモールに出掛けた先で、佐伯家族とバッタリ出会った。妻から「この方がいつも仕事でお世話になっている佐伯さんです」と紹介頂き、僕も「いつも良くして頂きありがとうございます」と和やかに挨拶。
佐伯は、奥さん、そしてふたりのお子さんとの4人で買い物。すごく幸せそうな家庭に見えた。
「良い上司に恵まれてるんだな」と、素直にそう感じた。
ちなみに佐伯は、一戸建てに住んでいる。
豪邸ではないが、立派な二階建ての新しい家だ。
住所は年賀状で知った。
ほんとおめでたい二人だ。不倫しあっている二人が年賀状を出し合っているのだ。
僕はその年賀状で住所を知り、正月を数日過ぎた頃、奴の家を見に行った。
庭の駐車場には国産車。
玄関先には、子供用の遊具がおいてあった。三輪車に砂遊び用のバケツやスコップ。
こんな家庭を持った奴が不倫をするのか。
奥さんや子供はどうなったっていいのか。そこまでの覚悟があってのことなのか。
その日は、家を眺めるだけに終わった。
W不倫で海外旅行を計画
数日後、重大なことが発覚した。
妻のパソコンの閲覧履歴から、どうも不倫旅行を計画していると言うことがわかった。しかも行き先は海外。
そして妻の携帯には、佐伯からこんなメールが届いていた。
またしてもこいつか。
どこまで大胆不敵、人を馬鹿にするにも程がある。
10歳も年下の部下を連れての不倫旅行。こいつ的には、出張か何かかもしれない。
そしてこんなメールもあった。
怒りがどんどん湧き出てくる。
せめて純愛気取りならまだしも、僕を超上から目線で罵倒する言葉を妻へ次々投げつけている。
こんな大人があって良いのか!
僕よりも歳が上で、子供もいる。人生経験も豊富な、この大人が、こんな馬鹿げた脳内。
許さない! 絶対許さない!!
妻から、いよいよ「友達と海外旅行へ行く」と言われた。「バカにするな! 絶対に行かさない」と激怒で釘を刺した。
そして佐伯から妻へ届いたメールがこれ。
桜子の旅行は、半ば強制的に辞めさせた。
あいつは絶対に許さない。
もちろん妻も同罪だ。しかし、立場、年齢、環境的にも妻より遥かな大人が、そうしているのが許せない。これは洗脳だ。
(次回へ続く)→ 妻に洗脳! 不倫相手が、家事放棄を指示し、離婚するよう仕向けていた