不倫相手は完全に排除し、妻の不倫は終わった。僕は、夫婦の再構築、つまりやり直しに注力した。
不倫がバレる前は仮面夫婦、バレてからは家庭内別居
妻の不倫相手、佐伯宅への怒鳴り込みから、4ヶ月が経った。
週刊誌やテレビでよく見かける家庭内別居。これって、ほんとにあり得るんだな、と実感している。
妻が不倫を隠して離婚を迫っていた頃は、かろうじて仮面夫婦だった。
不倫が明らかになり、ひと騒動起こした今となっては、完全な家庭内別居へとなった。
3LDKのマンションのうち、自然とお互い一部屋ずつを自分の部屋とし、それぞれこもる事になった。キッチンやバス・トイレは共用だが、ほとんどお互い顔を会わさない。食事も買い物も別々、洗濯も自分のものだけ、といった具合だ。
実は、思いのほか以前より快適に暮らしている。
お互い大きな隠し事もなくなり、張りつめた空気感もなくなった。
妻の心の内は、「いつ離婚してれるの?」だろう。
現状、妻の方からは離婚を切り出せない。というのも、法律上そうなっているからだ。僕の方から離婚と慰謝料を請求する事はできても、有責者である妻の方からは手出しが出来ない。この4ヶ月間、いつ離婚を切り出してくれるのかとヤキモキしてるのではないだろうか。
僕は今、離婚はできない。
少し話はそれるが、僕の実家側が少々問題を抱えてしまい、今、「僕たちが離婚……」と切り出せる状況じゃないのだ。詳細な説明は省くが、とにかく今は、両親にこれ以上の心労を掛けたくない。もちろん実家の両親は、僕たち夫婦の不仲のようすは感じていると思うが。
この事については、桜子にも説明した。
あともう一つ。
ここまで来て情けないと思う方もいるだろうが、今でもやり直したいと考えている。不倫以前はとても仲良くやれていた。不倫という問題を乗り越えて、再構築する事は出来るのではないだろうか。
___覆水盆に帰らず
そんな言葉も脳裏をよぎるが、わずなか可能性に掛けたい。
そんな頃、僕の実家で不幸があった。おばあさんが亡くなったのだ。重なるときは、重なるもんだ。子供の頃からずっと可愛がってくれていたおばあちゃんなので、仮面夫婦が式に参列で心苦しい。
おばあちゃん、これまで本当にありがとう。
(次回へ続く)→ 家庭裁判所から離婚調停の出頭命令が届いた。まさかの不倫当事者からの申し立て
第5章・やる直せるか?それとも離婚か?(26)
2005年6月