僕は、不貞行為の証拠、それに類する不倫の証拠を集めた。慰謝料請求をするためだ。
不倫の慰謝料請求ができるかどうかを、行政書士の先生に相談
ネットの検索で、良さそうな人が見つかった。行政書士という職種で、会社設立時の書類手続きを得意としているようだが、離婚問題も手掛けている。大ベテラン先生ではなく、フレッシュな若い先生という印象だ。
行政書士 山城了介。
まずは最初の相談料として、60分10,000円が提示されている。弁護士などへの相談料は、一般的に30分5,000円が相場だ。高くは感じるが、悶々と悩むより専門家の意見を貰ってから考える方が手っ取り早い。
ウェブサイトには、山城先生の携帯電話が掲載されていた。「24時間いつでも相談のりますよ!」というような好印象を受けた。早速、電話してみる。
元気な声での対応。思っていた通りの好感触。相談したい旨を伝えたところ、明日の夜、僕の自宅まで直接来て頂ける事になった。本来であれば、こちらから出向く場合が多いと思うが、僕の仕事の都合に合わてくれるとの事。ありがたい。
翌日、細身で笑顔の山城先生がやってきた。僕より若そうだ。
一人暮らしにしては大きいガランとした部屋に案内し、コーヒーを出し、挨拶はそこそこに本題へ入った。
妻の様子がおかしくなった事、不倫していた事、不倫相手に怒鳴り込んだ事、現在別居している事……。溜まっていた鬱積を吐き出すように話しまくった。その間、ずっと聞いてくれた。聞いてもらえただけでも、心が少し落ち着いた。
「おおまかな事はわかりました。慰謝料請求はできると思います。あとは佐伯さんが、どうするかを決めて私に返事をください。すぐに着手します」
60分10,000円との事だったが、すっかり延長し、2時間近く話してしまったが延長料金はなし。たまたま検索で見つけただけだが、良い先生と出会えたようだ。ホッとした。
(次回へ続く)→ 「離婚の前に、不倫相手の男に慰謝料を請求する」と、妻に伝える
第6章・新たな人生へ向けて(35)
2006年7月