「目は口ほどに物を言う」
そんな諺がありますが、相手の目を見ることで、正直に答えているのか、嘘をついているのかがわかります。
今回は、そんな目線・視線の観察「Eye Accessing Cue」について解説します。
目線で、その人が考えていることがわかるのです。
過去について質問をして、目線が右を向いたら嘘をついている
まず、この上記2点を押さえておいてください。
- 【目線が左】過去(知っていること)を思い出している
- 【目線が右】未来(知らないこと)を考えている
「昨日、何をしていたの?」
過去についての質問に対し、「えーっと」と言いながら、目線が右を向いていたら嘘をついている可能性が高い、ということです。
以下、もっと詳しく解説します。
目線が左上(視覚的記憶・正直に答えている)
【目線・視線が左上】視覚的記憶
目線が左上を向いた時、これは過去を視覚的に思い出しているときです。昨日の夜の食事を映像(イメージ)として思い出しています。これは嘘ではなく、本当に過去を思い出していると言えます。
あなたにも質問します。
「昨日の朝食は何でしたか?」
今、記憶を辿りながら、左上を見ませんでしたか。
目線が右上(視覚的想像・嘘をついている!)
【目線・視線が右上】視覚的想像
これ、嘘をついているかどうかの重要ポイントです!
嘘をついたら右上を見る、という訳ではありません。右上は、何かを視覚的に想像しているのです。わかりやすく言えば、こんな感じ。
あなたにも質問します。
「10年後、どんな仕事をしていたいですか?」
今、「うーん」と考えながら、視線が右上を向きませんでしたか。未来を創造するとき、視点が右上に行きやすいのです。
つまり、過去のことを質問しているのに、視点が右上を向くと、「怪しいな……なぜ今、未来を創造しているの? 嘘をついているのでは!」ということになるのです。
「昨日、何をしていたの?」
この質問に対して、目線が右上を向いた時は要注意です。
目線が左(聴覚的記憶)
【目線・視線が左】聴覚的記憶
音を聴こうとしたり、音声を思い出そうとしたときは、目線が横を向きます。斜め上は視覚(映像)ですが、横は聴覚(音)です。
また、過去を思い出そうとすると、目線が左へ向きます。
目線が左を向いたときは、過去を思い出そうとしていて、聴覚(音)の記憶を辿っています。「昨日、私はなんて言ったか覚えてる?」
そう言われると、目線は左を向くと思います。
目線が右(聴覚的創造・嘘の可能性)
【目線・視線が右】視覚的創造
目線が横を向くときは、聴覚(音)を考えているときです。それが右だった場合、知らない音を創造しています。
これ、嘘をついているかどうかの重要ポイントです!
「ねぇ、昨日の先輩との会食、どんな話をしたの?」
過去のことを相手に質問をして、目線が右を向いたら「怪しい! 嘘をついている可能性がある」ということになります。目線が左下(内部対話・じっくり考えている)
【目線・視線が左下】内部対話
自分と向き合い、熟考するとき、視線が左下を向きます。相手が左下を向いたときは、じっくりと考えているときです。
あなたにも質問します。
「あなたが尊敬している人を、3人挙げてください」
……。
……。
……、視線が左下を向きませんでしたか。
目線が右下(身体感覚・冷たいや熱いなどを想像している)
【目線・視線が右下】身体感覚
熱い・冷たいなど、身体が受ける感覚を想像するとき、視線は右下を向きやすくなります。
「プールにぷかぷかと浮かんでいるところを想像してみて」
そんなときも、右下を向きがちです。
左が過去、右が未来 相手の目の動きをよく見て
以上が、目線・視線の観察「Eye Accessing Cue」について解説です。
この6パターンを覚えるのは大変なので、ぜひ自問自答をして、実際に自分の目が動くことを体感してみてくださいね。
また冒頭での話の繰り返しになりますが、大雑把にはこうです。
- 【目線が左】過去(知っていること)を思い出している
- 【目線が右】未来(知らないこと)を考えている
過去についての質問をしたとき、相手が「えーっと」と言いながら右を向いたら嘘をついている可能性が高い。
ここだけでも、しっかり覚えておきましょう。
そんなときにも活用できるでしょう。
今回は以上です。
余談ですが、Eye Accessing Cueは、実践的コミュニケーション心理学と言われるNPL(Neuro-Linguistic Programming)の分野です。もっと詳しく知りたい方は、NPLの専門書をご覧ください。