仲良しで平穏だった僕たち夫婦に、突然襲いかかった離婚の危機。
僕は約2年4ヶ月のあいだ、妻の不倫問題と戦い、とても苦しい経験をしました。長い年月を経て、ようやく過去を振り返ることができるようになったので、ここに当時の出来事を書き残します。
不倫をされて最も辛かったのは、妻が他の誰かと愛し合っていたことではありません。当然、それも辛かったのですが、それよりも、妻がなぜ変わってしまったのか原因がわからず苦しんでいる僕に対し、毎日平然と嘘をつかれ続けたことです。
真実がわかってからは、不倫相手との直接対決、夫婦の再構築、慰謝料請求などに挑みました。
ここからは、僕たち夫婦に巻き起こった不倫騒動をお伝えします。同じように夫婦問題で悩んでいる方の、何らかのヒントや助けになれば幸いです。
ちなみに名前以外は全て【真実】です。
まずは、本記事・第一話よりご覧ください。
<私、篠原 誠のプロフィール>
年齢:31歳
仕事:某メーカーの営業
兄弟:妹がひとり
<妻、桜子のプロフィール>
年齢:25歳
仕事:派遣OL
兄弟:一人っ子
<主な登場人物>
・篠原 誠(私です。妻に不倫された夫)
・篠原 桜子(妻)
・佐伯 洋二(妻の不倫相手)
・山城 了介(行政書士)
突然はじまったセックスレス、妻が無気力に
「子供が出来たら愛情が子供に行くから寂しいね。しばらくは、2人で楽しく過ごそ」
妻の桜子からそんな言葉が出て来るほど、僕たちはいわゆるバカップルな仲良し夫婦。
僕たち夫婦は比較的若くして結婚しました。
結婚当時の年齢は、私・夫は20代後半、妻の桜子が20代前半です。結婚から3年が経ってもなお、恋人時代と変わらない仲睦まじい日々。
僕は、平凡なサラリーマン。妻は派遣社員で、某大手企業の事務職。特に派手さは無いけど、お互いの良い友達や両親にも恵まれ、ほのぼのとした環境で幸せな毎日を楽しんでいました。
結婚してから3度目を迎えた夏。桜子から
「私のこと愛してる?」
と、突然携帯電話にメールが届きました。
「もちろん! 愛しているに決まってるだろ……。でも、どうしたの急に?」
「ううん、何でも無い。ちょっと気になったの。^^」
何気ないメールでした。
思い返せば、この時、妻の心の中では何かが動いていたのです。
それからしばらく後、突然セックスレスが始まりました。眠いとか、体調がすぐれないとかいった理由。これまでそんな事は無かったのですが。
さらに、元気で明るかった妻が、たびたび無気力に……。
セックスレスはそのまま続き、約1ヶ月が経ちました。
ずっとラブラブだった二人。これまで経験したことがない展開に、僕は心配の日々を重ねました。
そんなある日、妻から「ごめんね」というタイトルで携帯にメールが届きました。
「夏バテで体調が悪いけど、好きな気持ちは当然変わってないよ。無理にわかってもらおうとは思わないけど知っていて欲しいと思って。それだけじゃないだろ! って思われるだろうけど、本当にそれだけなの。ゴメンね」……と。
僕は、妻に元気になってもらおうと考えました。「おいしい焼き肉でも食べに行こう!」と誘ったり、プール、野球観戦、音楽イベント等へも行ったりもしたけど……やっぱり無気力。
喜んでもらえるどころか、逆に段々と僕を避けるようになって来ました。
ふつうに考えれば、怒って口論に発展するのだろうと思います。でも、そのモヤモヤした想いを押さえ込み、そして「好きな気持ちは変わっていない」というメールの言葉を信じて、妻に優しく接するように心がけました。
我慢して優しくすることが正しいかどうかは判りません。ただ、妻の言葉を信じずに怒りに任せて行動してしまってはダメだと、自分で自分を納得させていました。でもそれはきれい事で、半分は悪い展開になるのが怖かったからなのです。
そのまま不安な日々が続きました。
そして、妻は「友達と会う」と行って頻繁に夜遊びをするようになりました。
僕の前では無気力なのに、帰宅時はなぜか元気。
(次回へ続く)→ 妻より、離婚の申し出。
第1章・謎の異変「体調不良」 (1)
2004年7月