何も無い結婚記念日が過ぎ去った。
妻とは4ヶ月前まで仲が良かった。
喧嘩もしていなし、特に何かがあった訳でもない。不倫をしているかもしれないけど、なぜこうなってしまったのか……。
妻に冷められた なぜこうなったのかわからない
人肌が恋しい。
当然セックスレスも続いている。
31歳の男にとって、禁欲の日々というのは耐えられない。
情けない。
情けない。
情けない。
情けないことなのだが、近くにいるのに届かない妻・桜子への想いが辛くて、妻との行為を妄想した。
なぜ、こうなったんだ?
「好きになるのに理由が無いように、冷めるのにも理由はない」
「離婚したい」
と、妻は言った。
時々嬉しそうに帰って来る妻。
一体何が楽しいのか。
離婚の話はあれから出ていない。
もうそんな気はなくなったのか。
じゃぁ、なぜ妻は僕と距離を置く?
浮気の可能性はあるが、どうして、いつ、なぜ浮気なんて。
僕ら夫婦は何が問題なのか……。
こうした関係が長期化し、状況を整理するため、また解決法を探るため、僕は妻との関係を日記に書くことにした。
日記と言っても、見開きで1週間分の予定が書けるビジネス手帳。僕は予定ではなく、その日に起きた妻とのことを箇条書きで書き残した。
今日は妻の機嫌が良かった。
帰って来るのが遅かった。
夜ご飯を作ってくれた。メニューは野菜炒めだった。
といった具合に、その日感じたことや起きたことを書く。ごく簡単なメモのような日記だ。
過去の分も、桜子とのメールのやりとり等から思い出して、様子を書き込んだ。
体調が悪くなった。
離婚の話があった。
口論になった。とか。
夫婦の関係改善に何か出来る事はないか。そう願いながら、日々を綴った。
浮かび上がって来たのは、妻はときおり機嫌が良いということ。僕との関係は冷めたままの平行線が続いているのに、時々機嫌が良くなるというのは、一体何から嬉しい気分が湧いているのか。
妻が風呂に入っているあいだ、部屋に携帯が残されていた。
僕はふたたび携帯を勝手に覗いた。
着信履歴に会社の同僚「佐伯 洋二」の名前がある。
しかも、休日にも、だ。
もはや悠長に優しくしているだけでは、解決しないのではないか。
再構築を願っていても、
そもそもの原因を探り、それと向き合わないと限り再構築も何もない。
汚れたものにフタをしたままでは、前へ進めないのだ。
僕はふたたび、妻の不倫の可能性を探る事にした。
(次回へ続く)→ とんでもない書き込みを見てしまった。mixiの不倫系コミュニティーにて。
第2章・妻は不倫をしているのか?(9)
2004年11月