妻の不倫が、99%の疑いから、100%の確証に至った。
言動、
携帯電話の着信履歴、
SNSへの投稿。
もはや疑う余地はない。
次にすべきは不倫の証拠を手に入れることだ。しかし、そこには壁が立ちはだかった。携帯電話にパスワードがかかっているのだ。それをロック解除しないといけない。しかも短時間で。
パスワードが4桁の場合、総当たりで1万通り
改めて言っておくが、僕はこれまで他人の携帯電話を勝手に盗み見たことがない。そんな事をしてもしょうがないし、興味がなかったからだ。
しかし今は、不倫の証拠をつかむため妻の携帯を探っている。
言い逃れさせない、首根っこをつかむ為の手段だ。
夫婦とはいえ、配偶者の携帯電話を勝手に触るのが違法というのであれば、それはそれで覚悟済みだ。
ただ残念な事に、覚悟は決めても、妻の携帯電話にパスワードがかかっていて、メッセージの中身を見ることができない。
パスワートは4桁。
総当たりで10,000通り。
妻が風呂に入っている短時間を突いて、これを当てるのは途方もない。
しかし、そこで思いついた。
パスワートは不倫相手の誕生日などの記念日なのではないか。
となれば、365通りしかない。
1万通りが、一挙に約30分の1にしぼれた。
妻の様子を記録した日記や、SNSへの投稿などから、怪しい日付をいくつか絞り込んだ。
それらを順に入力。
……開いた。
そこには佐伯洋二の名前があった。
なんだよこれは。
完全に不倫に酔う、メッセージのやりとりが残されている。
妻が風呂から上がる。
もう時間はない。そこで一旦打ち切った。
妻が不倫をしている、そして相手は会社の上司、佐伯洋二。
遂にここまで出揃った。
どうするのか、俺!?
やはり再構築したい。
離婚はしたくない。
妻とやり直したい。
その頃、心の支えになっていたウェブサイト「不倫からの帰還」(現在はサイト閉鎖)。
ここでは、「パートナーの不倫を辞めさせ(相手を排除)、目を覚まさせる。それから夫婦の再構築を行う」という、不倫からの帰還方法が書かれている。僕は、その夫婦の再構築を目指したい。
まさか自分の妻が不倫し、離婚の危機になるなんて、これっぽっちも思っていなかったので、僕は不倫に対しての免疫力はなかった。なので、サイトの情報は大変心の支えになった。
とにかく、状況を把握し、佐伯洋二排除のタイミングを見極めたい。
感情を押し殺し、
静観しつづけた。
(次回へ続く)→ 不倫相手と初詣へ行こうとする妻に、怒り爆発! 新年を重い空気で迎え、もう耐えられない
第3章・不倫相手との話し合い(13)
2004年12月