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春の訪れと、別れ。

春の訪れと、別れ。

第五部 <やり直せるか?それとも離婚か?>(31)- 2006年4月

冬が終わり、桜のつぼみが大きくなる季節。
僕のおじいちゃんが倒れた。風邪をこじさせたような感じだったが、入院させられる事に。親父から「危ないかもしれない」と告げられた。

え?ついこないだまで元気だったのに。

病院では、おじいちゃんがか細い声で声を掛けてくれた。「ワシ、だめかもな」。

そんな事いうなよ!

僕は、おばあちゃん、おじいちゃんっ子だ。去年はおばあちゃんが亡くなり、そして今、おじいちゃんが病院のベットに伏せている。おじいちゃんはみるみる衰弱し、親父が「今夜が山場になりそうだ」と。

そんな馬鹿な。2,3日まで話してたのに。

その夜、おじいちゃんは息をひきとった。お医者さんが死亡を確認した。

翌日、動かないおじいちゃんが帰宅した。明日、お通夜が行われる。喪主は親父だ。とにかく親父には「疲れも溜まってるだろうし、明日からもあるから、今日は寝ててくれ」と伝えた。

一晩、僕はおじいちゃんと過ごした。
布団に横たわったおじいちゃんの隣に、僕は座り、ずっとおじいちゃんを見ていた。

こういう時って、お線香を絶やしちゃダメなんだよな。
口から言葉には出さなかったけど、一晩中おじいちゃんとずっと話した。
去年はおばあちゃんが亡くなって、すごく落ち込んでたよな。なんか良く喧嘩してたけど、結局おじいちゃんは、おばあちゃんの事好きだったんだな。おじいちゃんは戦争にも行ったけど、その後は子供や自分たち孫に恵まれ、なんだか楽しそうな毎日だったな。おじいちゃんの顔をあたまに浮かべると、笑っている顔しか出て来ないや。

なぁ、おじいちゃん。夫婦って大変だな。そんなに長くやって来れたなんて尊敬だよ。
それがあるから、今、僕はここに居るんだよな。
おじいちゃん、ほんとありがとう。ありがとう。ありがとう。

 

翌日、お通夜が営まれ、その翌日にはお葬式が行われた。
沢山の方が来てくれた。おじいちゃんは、親しかった人たくさん居るんだな。

大方の行事が終わり、次は火葬場へ向かう事になった。

おじいちゃんを乗せた霊柩車を先頭に、僕らはバスに乗り込んだ。

向かう途中、これまで全く泣かなかったのに、突然崩壊した。涙が止まらない。みんな沢山いるのに、嗚咽するほどに号泣してしまっている。止められない。

___火葬場に続く道には、桜が咲いていた。満開だった。

桜子も一緒に座っていて、おとなしく神妙にしていた。

おばあちゃんが亡くなって、後を追うようにおじいちゃんがこの世を去った。
夫婦とはこういう事なのか。
おじいちゃんは幸せだっただろな、と思う。

僕はこの時に気がついた。
いくら真面目に生きたって、死んだらみんな同じ。

「あのじいちゃん、堅物だったねぇ〜」なんて言われながら、この世を去るより、「あのじいさん、ほんと好きなことばっかり。人生楽しかっただろね〜」と言われて去る方が幸せだ。

僕は、「面白可笑しく生きよう」。そんな人生の目標が定まった。

 

ありがとう、おじいちゃん。本当にありがとう。
天国でおばあちゃんと再会できますように。

 

 

(次回へ続く)→ 家庭内別居から、本当の別居へ。
 

自分の実体験を振り返りながら「体験日記」として連載しています。途中のページからアクセス頂いた方は、ぜひ最初の記事からお読みください。
結婚3年目、妻が原因不明の体調不良。そしてセックスレス。

About 篠原 誠

篠原 誠
パートナーの不倫に苦しんでいる方のためサイトです。僕はかつて妻の不倫問題と戦い苦しい経験をしました。辛かったあの日々を振り返り、自分と同じように現在苦しんでいる方への参考になればと願い、本サイトを立ち上げました。 【LINK:このサイトについて / プロフィール