子どもがいる家庭においての不倫問題は、夫婦間だけにとどまりません。子どもに深い傷を負わせ、それが一生治らないことがあるのです。
先日、読売新聞の名物コーナー「人生案内」に、90代の母親の不倫についての相談が掲載されていました。相談者は、60代の息子(医師)です。
ご自身が幼少期の頃、母親が浮気をしていて、とても辛い想いをしたとのこと。
それから50〜60年経った今も、母親への怒りや恨みが収まらないと悩んでおられるのです。
母親が浮気 何十年経っても許せない!
読売新聞「人生案内」より引用します。
父親は、仕事熱心で子煩悩。それに対して母親は、浮気、ギャンブル、さらには不倫相手の子を生んだかもしれない……とのことです。
口下手な父は子煩悩で、人が嫌がる残業を買って出て、家族のために働きました。一方の母は花札やマージャンに明け暮れていました。幼稚園から帰っても家にいないことが多く、よく泣いていました。浮気をし大金を男に貢ぎました。弟がいますが、父の子ではないかもしれません。
浮気後の夫婦喧嘩で、母は自分がいかに苦労して家庭を切り盛りしているかに話をすり替え、父をやりこめました。それなのに先に亡くなった父の棺桶で「迷惑をかけた」と言うのにはあきれました。
今、認知症となった母は自分の罪を忘れ、穏やかに過ごしています。でも「男は獣と同じだ」と言った母、淫らな表情の写真の母、いずれも許せません。早く死ねばいいと思います。 親子関係からは逃れられませんが、このトラウマへのアドバイスをお願いします。
読売新聞 2020年1月7日朝刊より引用
親の不倫で育児放棄、子供はネグレクトの被害者
この相談に対して、ライターの最相 葉月さんが答えました。
最相葉月さんは、読売新聞「人生案内」コーナーの人気回答者のおひとりです。特に、夫婦関係・親子関係など家族問題に関しても回答は秀逸で、僕も個人的に好きで、よくハッとさせられています。
今回の相談に対して、最相葉月さんは、どのような回答をしたのでしょうか。
回答文を全てここに書くのははばかれますので、要点のみお伝えします。
まず、相談者さんは、現在60代です。
50〜60年前には使われていなかった言葉ですが、「今ではネグレクトと呼ばれる育児放棄の被害者でしょう」と言います。そのため、母親に憤りを覚えるのは当然である、と。
それを踏まえて、「母親を許す必要はない」と断言します。
ただし、経済的なサポートは行なった方が良いそうです。なぜなら、相談者は医師です。人を救う仕事をしていながら、自分自身を救えないのは辛いことです。「母親と距離を置きつつも、やれることはやったと納得することが自分自身を救うことにつながる」とアドバイスしています。
また、相談者さんは医師です。医師として、人を救い、笑顔にしてきたのは、家族に、人に、優しく接してきた父親がいたからだろうと話を締めくくりました。
母親・父親の浮気 子は自殺を考えるほど苦しむ
本サイト「妻が不倫しています」では、何度も繰り返しお伝えしていますが、不倫は悪意を持って家族を壊す違法行為です。
家族が壊れる。
それは夫婦が離婚し、家族がばらばらに暮らすことだけではありません。
心も壊れてしまうのです。
最後に余談ですが、Googleで「母親が浮気」「父親が浮気」と検索すると、一番最初に何が表示されるかご存知ですか。実は、厚生労働省の自殺対策「電話相談窓口」のページが表示されるのです。
これはつまり、「親の浮気を苦に、自殺を考えている子が大勢いる」ということを示しています。
Googleの検索結果は、様々な要素が組み合わさって決められていますが、そのなかの大きな要素として「ユーザーの検索意図」があります。母親・父親の浮気について検索するユーザーは、自分の命を経ちたいほど、苦しめられているのです。
不倫とは、「人の道を外れる」というのが本来の意味です。本当に酷い行為なのです。
浮気をしている方へ
自分自身の快楽のために、家族を踏み台にしていることを認識してください。
妻・夫に不倫をされている方へ
お子さんがいらっしゃる方は、全力で子どもを守ってください。ご自身も苦しいときで大変ですが、子どもの心も傷ついています。
心が苦しくて助けが必要な方は、先の厚生労働省の「電話相談」の活用も。
電話番号 0570-064-556
*電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している「こころの健康電話相談」等の公的な相談機関に接続します。
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