- 「不倫をした妻と離婚すべきか?」
- 「夫は子どもにとってのパパ、別れる決断ができない」
- 「両親・友人、世間体が気になって動けない」
結婚前の恋人同士の関係であれば、別れる別れないは双方の課題です。しかし婚姻関係を結ぶと容易には離婚できません。法律上双方の同意と2人の証人が必要ですし、子どもがいる場合は子育て・親権についても悩むでしょう。また、結婚を祝福してくれた両親や友人の想も裏切ってしまうのではないか……という不安も。
僕はかつて、妻から突然「離婚したい」と言われ、2年4ヶ月ものあいだ苦悩しました。その背景には妻の不倫があったのですが、それがわかった後も、僕はなかなか決断できなかったのです。
この記事では、フランスの哲学者「パスカル」の教えをもとに、「決断を迷うことは悪いことではない」「倒れてもまた立ち上がれる」ということをお伝えします。
この記事を読めば、後悔しない決断をするために抑えておくべきことがわかります!
苦悩に負けることは恥ではない。快楽に負けることこそ恥である
まず最初に、この記事を書こうと思ったのは、NHK「世界の哲学者に人生相談」のパスカルの回を観て、感銘を受けたのがきっかけです(2020年7月23日放送分)。
番組では、「決断に際して、心を決め、後悔しないための《ふたつの精神》」の解説がありました。これはまさに、妻・夫の不倫に悩む方に勇気を与えるメッセージだ! と思ったのです。
パスカルとは、17世紀フランスの哲学者。観察の天才と言われ、自然界・人間界をじっくりと観察し、数多くの法則を見出しました。ヘクトパスカル、パスカルの三角形、パスカルの定理……。パスカルは哲学だけでなく、物理学や数学など多分野での天才なのです。
そんなパスカルが残した名言のひとつが、こちら。
これを不倫に当てはめると、このような意味として解釈できます。
つまり「サレは恥ではない、シタが恥だ」ということ。
うん、パスカルさん。
その人間観察、素晴らしいです!
人間は考える葦である
そして、2つめのパスカルの名言。
これはご存知の方も多いですよね!
アシとは「足」ではなく、イネ科の草「葦」のことです。
NHKの番組では、この名言を草と木を使って、物語風にわかりやすく解説してくれました。
- 葦(細くて弱々しい草)
- 樫(硬くて強い幹を持つ木)
川辺に、葦と樫が生えていました。
ある夏、そこに台風がやってきます。
強い樫は、びくともしません。
葦は、風にあおられ倒れてしまいました。
でも葦は、茎が細く柔軟なため倒れはしましたが、折れてはいません。なんとか立ち上がることができたのです。
そして秋、
より強い台風が襲いました。
葦は、また倒れてしまいました。
樫は今回、強い風に耐えきれずにポキッと折れ、2度と起き上がることができませんでした。
葦は今回もまた、立ち上がることができました。
パスカルさんは、「自然界において人間は、1本の葦のように弱い存在だ」と言っています。
弱々しさは強さでもあるのです。打ちひしがれても、再び立ち上がれるのだから。
人間には「幾何学の精神」と「繊細の精神」の2つが必要だ
そして、3つめのパスカルの名言。
これはちょっと、わかりにくいですね。
解説します。
幾何学の精神とは
- 理性
- 理論で推論
- データ重視
繊細の精神とは
- 感性
- 感度いいアンテナ
- 感情・直感重視
これは「データ分析だけでなく、感情・直感も大切だ」ということです。
例えると、婚活パーティーで高収入・高身長・末っ子など情報だけで相手を決めると、結婚後に人間性を見落としていたことに気づき後悔することがあります。
また、人当たりが良くてピンと来たので結婚相手に選んだら、あとから印象だけで選んだことに後悔することもあります。
不倫の証拠集めの際も、GPSや交通系ICカードのデータを重視する場合もあれば、「ピンときた!」と直感を信じる場合もありますよね。この場合においても、一方だけで決断するのではなく、その両方が必要だ、ということになります。
人間の弱さはそれを知る人より、それを知らない人たちの方にずっとよく現れている
そして最後、4つめのパスカルの名言。
偉そうに振る舞っていたり、「オレは弱さを知らない!」と言われたりすると、その人は強そうに見えるけど、本当は弱い。
逆に、弱さを知っている人こそが、強い。
【まとめ】今、悩んでいるのは悪いことではないし、恥ずかしいことでもない
記事の冒頭で、「なかなか離婚を決断できない悩み」を書きました。
実はこれ、悩んで良いんです。
とことん悩んで、弱気になっても良いんです。
むしろ、「オレは絶対に負けない!」「私は諦めない!」と強気一辺倒になる方が、良くありません。悩んで、苦しんで、もがいて……。その経験があるからこそ、また立ち上がれるのです。
そして、その経験があなたを強くするのです。
とにかく、「今、悩んでいるのは悪いことではないし、恥ずかしいことでもない」というのを、理解しておきましょう。
そして、決断するときのポイントは以下のとおりです。
- 決断をするときは、弱気になる必要もある
- 強気と弱気、両方をうまく活かして判断する
- 論理だけでなく、ときには直感で判断も
決断できずに悶々としている方は、「直感も活かす」「弱気も活かす」「繊細さも活かす」など、自分に足りないところを意識してみましょう。
そしてどうか……
倒れてもまた立ち上がる、考える葦になってください。