第二部 <本当に不倫なのか?>(5)- 2004年9月
心の支えといえば、会社の同僚には大変助けられた。
今起きている夫婦問題は他人に言える事ではないし、一人悶々と抱えていたのですが、ある時、会社の同僚が「実はオレ、最近嫁と不仲で……」なんて話をしてくれました。どうやら彼の奥さん(専業主婦)の態度が冷たくなり、仕事をしていることへの感謝も無ければ、愛情も無い。そして数週間セックスレスだ、と。
なんとも僕と似たような状況でした。
そんな彼を前に、思わず僕も自分自身の夫婦問題について口火を切りました。仕事のあと、会社の近所の公園で、コンビニで買った缶ビールを片手に。
溜まっていた鬱積がザーッと流れ出た気分です。悩みを他人に聞いてもらうと言う事は、こんなに精神的に支えになるとは、我ながら驚きでした。
彼は笑顔で僕に、「じゃぁ篠原んちと、ウチ。どっちが先に嫁とエッチが出来るか競争だね!」と言ってくれました。心情としては、嫁とのセックスが遠い存在になっていて笑えないのですが、彼のそんな楽しい提案がすごく癒しになりました。
彼とはその後、良く話をしました。決まってコンビニでビールとツマミを買って公園で。傍目にはもう完全にダメサラリーマン的なワンシーンです。でも、僕たちが公園で話していたのには訳があるんです。一つは小遣いが少ない。もう一つは、居酒屋へ行くとつい長時間になり、不仲ではあるけど嫁と少しでも接して仲良くなる機会を増やしたいから。
さて、僕の夫婦状況ですが、相変わらずの膠着状態。嫁は「無」です。
ただ、嫁から「今日は遅くなる」「食べて帰る」のメールが増えて来ていました。本当に浮気をしているのか、それとも友達と飲んでいるのか。その辺は全然判りません。
自分はまだ「愛情の灯をともす」を意識し、怒らず、追求せず、優しさを意識していました。
ただ、これまでと違うのは、「嫁は本当に不倫をしているのか? もしそうであれば対策を打つ。まずは証拠だ!」。
気持ちとしてはもの凄く辛い日々が続きましたが、嫁の観察を続けました。
(次回へ続く)→ 不倫の証拠探し。プロの探偵に依頼するか、それとも自分で探すか。