間男との直接対決。
夫婦の再構築。
別居。
そして僕は、退職、再就職。
全てを失くしてから、4ヶ月が経った__。
僕にはまだ、今回の大騒動を伝えられずにいる大切な人がいる。
両親へ報告。妻の不倫、別居、そして離婚
僕は実家へ向かった。
心配を掛けまいとずっと黙っていたが、両親にこれまでの事を話した。
桜子が今、家に居ない事。
桜子が不倫をしていて、ひと騒動あった事。
もう夫婦の修復は無理だという事。
仕事を辞めたという事。
地元を去り、遠くへ引っ越すという事。
母親は泣いていた。
哀れんでくれているのと、遠くへ行ってしまうからだろうか。
結婚では大変お世話になったし、祝福もしてもらった。
結婚後も桜子共々良くしてくれた。
申し訳ない。
……が、ここで謝ると、さらに重い空気になってしまうので、ライトに「ゴメンな!」と口にした。
僕は何もかもを更地にして、新天地へ行きます。
慰謝料が決定、和解契約書を結ぶ
さて、桜子の不倫相手への慰謝料請求は、まぁ上手く行った。
慰謝料は、佐伯の生活がめちゃくちゃになる程に絞り上げたかったが、それは現実的ではないので、行政書士の山城先生に相談し、そして先生と佐伯との交渉で160万円となった。
支払いに関しての契約書が結ばれた。和解契約書という書類だ。簡単にいえば「誠意を持って指定日に延滞無く支払い、それをもって、この問題を解決とする」という契約書。
はっきり言って金銭の問題ではない。自分が受けた苦しみ以上のものを、佐伯に味わって欲しかった。160万円は、大手企業に勤めている佐伯にとっては安いと思う。しかし、ここが交渉の最高地点だったのだろう。山城先生には色々助けられた。精神的にも支えて頂き、心から感謝を申し上げたい。
ついに、離婚届を書くことに
僕の新天地は、東京だ。
目黒区に小さなワンルームマンションを借りた。
本当に全身すっかり衣替えだな。
職場のそばにある渋谷区役所へ離婚届をもらいに行った。書き損じしては行けないので、念のため2枚。
ふぅ、はじめての離婚届。
「こんな事になりたくない」と、2年半ももがき苦しんで来たが、不思議と心は落ち着いている。
自分の欄に、記名、捺印。
丁寧に書いた。
桜子に携帯でメール。「離婚届、俺の分書いたから郵送する。住所を教えて欲しい。あとは、桜子が残りを書いて役所に出してくれたら良いよ」と。
2日後、「離婚届、出しました」という報告のメールが届いた。
さぁ、新しい人生のスタートだ。
長きに渡る日記、お付き合い頂きありがとうございます。
つたない文章力ではありましたが、当時のメモや携帯電話などを掘り起こしながら、辛かった日々を振り返り、書きました。
妻に嘘をつかれていたこと。
不倫相手の佐伯が、土下座のあとに吐いたあの言葉。
不倫というものは、本当に人を傷つけます。不倫を美化する人、映画や小説もありますが、決して美しいものではありません。
人が人を裏切る。
もっともしてはいけない、人間としてのルールです。
今、渦中にいる方は、本当にお辛いと思います。
僕もこんな地獄が永遠に続くのではないかと、一分一秒が長く長く重く苦しい日々を過ごしました。
しかし、いつかは霧が晴れわたる日が来ると思います。
活路を見出そうという気持ちを持って、亀のように遅い一歩でも良いので、進みだしてください。もちろん、ときには甲羅にもぐって動けなくなる日もあるでしょう。
僕自身、過去を振り返りわかったのは、「こうやって人は強くなって行くんだな」ということです。
僕の日記は、今回で終了です。
皆様のお幸せを心より願っています。どうかご自愛を忘れずに。
篠原 誠
【追伸】離婚から7年、離婚後の生活について書きました
離婚後の生活や、不倫・離婚を通じて学んだことを、改めてコラムとして書きました。
→ クソくらえ!妻の不倫で再構築を誓い、失ったもの、得たもの。
第6章・新たな人生へ向けて(39)
2006年11月