携帯電話の通話内容を録音したいと思っても、スマートフォンに通話録音機能は備わっていません。
昔のガラケー時代から最新のスマホまで、ずっと通話録音機能はありません。自分の声だけ録れる機能・アプリはあっても、相手の声を録れるものは無いのです。
今回の記事では、その理由を解説し、その上でiPhoneの通話が簡単に録音できるボイスレコーダーを紹介します。Androidユーザーも同梱されているオプション品を使えば利用できます。
なぜ、通話録音機能が無いの? 個人情報保護などの法律が絡んでいるから
製品をご紹介する前に、そもそもなぜ通話録音機能が無いのかについてお話します。
主な理由は、プライバシー保護と法的規制に関するものです。ご経験がある方もいるかと思いますが、メーカーのカスタマーサポートセンターなどに電話をすると「サービス向上のため通話内容を録音させていただきます」といった音声案内が流れます。これは個人情報保護法などの法律に抵触するのを恐れ、事前に案内しているのです。
通話録音は必ずしも違法とは限らないのですが、携帯電話メーカーは以下の法的および社会的な背景を考慮し、トラブルを避けるために通話録音機能を搭載しない方針を採っています。
プライバシー保護
日本では、通話の録音は相手の同意が必要とされています。無断で通話を録音することはプライバシーの侵害となる可能性があります。そのため、メーカーはプライバシー保護の観点から録音機能を標準搭載しないことが多いです。
法的規制(個人情報保護法など)
個人のプライバシーを保護するための個人情報保護法では、個人情報の取得、利用、保存に関して厳しい規制が設けられています。通話録音は個人情報の収集とみなされるため、相手の同意が必要となります。無断で録音することは、この法律に違反する可能性があります。
他にも、通話を録音することにより相手に対して心理的な圧力を与え刑法第234条「威力業務妨害」にあたる可能性や、業務上の通話を無断で録音しその内容を第三者に漏洩することで「不正競争防止法」にあたる可能性もあります。
ユーザーの通話を録音されたくない意識
消費者としても、無断録音に対する抵抗感があります。「通話を勝手に録音されているかもしれない」「録音した通話内容が漏洩したり、悪用されたりしないか不安」など。こうしたユーザーの意識が、通話録音機能を搭載しない方針に影響していると考えられます。
詐欺・不倫の証拠を得るための無断通話録音は違法? 合法の判例あり
証拠を得るための通話録音は違法か? 合法か?
これについては裁判所に「 相手方の同意を得ないで相手方との会話を録音したテープの証拠能力が認められた判例」があります。
つまり合法です。加えて、証拠能力もあるという判決です。
iPhone MagSafe対応 サンワサプライ「ボイスレコーダー 400-SCNICR3BK」
さて、前置きが長くなりましたが、iPhoneの通話を相手の声を含めて録音できるボイスレコーダーを紹介します。iPhoneの背面、MagSafe(マグネット)に貼り付けて使うタイプです。
使い方は簡単! 電源ボタンをスライドするだけ
MagSafe対応のiPhoneに取り付けて、電源スイッチを入れるだけで通話を録音できます。
発信・着信時など録音したいタイミングで、電源スイッチを右上にスライドするだけ。スマホの振動を直接キャッチする特殊なマイクで、電話だけでなくLINEやSkypeなどどんな通話アプリでも録音できます。
自分の声と相手の声がされます。
Androidで使う方法
本製品はAndroid端末でも使えます。その際は、付属のマグネットリングシールを使ってください。
また、実は単体でボイスレコーダーとしても使えます。
音質は? 相手の声もしっかり録れる
サンワダイレクト公式、そして一般ユーザーのレビュー動画をピックアップしてご紹介します。
こちらは公式チャンネル。相手の声もしっかり録音できています。また、使い方も解説。
ケースあり・ケース無しで、相手の声を録音状態を調べています。ケースをつけたままでも多少こもっているもののしっかり録れていますね。
この動画では、音質チェックに加え、実際の使用感などしっかりとレビューされています。音声についてはクリアに録れていますね。気になったのは、磁石の弱さ。付属のマグネットリングを併用する方ががっちりとくっつきそうです。
音声ファイルを確認・取り出す方法
録音データは付属の「USB A – Type-Cケーブル」でパソコンにつないで確認することができます。また、Androidや、充電ポートがUSB Type-CになったiPhone 15でもデータ確認ができます。
その他、スペックやレビューなど詳しくは商品ご購入ページをご覧ください。
スマートフォンの通話録音は、別の機器を購入する必要があり、お金がかかったり面倒もあったりするのですが、こうしたアイテムがあるおかげで録音できますので、大事な場面ではぜひご活用ください。
個人的には、以下のような場面で利用できると考えています。
- 妻・夫に電話をして不倫に関することを問いただすことになったとき
- 妻・夫の不倫相手に電話をする際、不倫の事実について言質をとるため
ただし、不倫相手の電話番号は入手しても、すぐに電話をかけるのは避けてください。うまく言い逃れされてしまうリスクがあるので、「ここぞ!」というタイミングまで温存するのが重要です。決定的な証拠を得るには、プロの力を借りることも検討してください。